校長室だより

◆ 第56回 卒業証書授与式 挙行  ~ 柔らかな春の陽ざしの中で ~

 柔らかな春の陽ざしが感じられる佳き日、多くの保護者の皆様のご臨席を賜り、令和2年度埼玉県立鴻巣女子高等学校 卒業証書授与式を挙行できましたこと、深く感謝申し上げます。185名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。新たな人生への希望と決意を胸に、晴れてここに栄えある門出の日を迎えましたことを心よりお祝いいたします。また、保護者の皆様には、この間、本校の教育に変わらぬ御理解と御協力を賜りましたことに深く感謝いたしますとともに、お子様の高校卒業という大きな節目を迎えられたことに心から敬意を表します。

  式辞の中で、はなむけの言葉として二つお話ししたことをポイントだけ振り返りたいと思います。

1【夢こそ力】

 一つ目は『夢こそ力』であるということです。夢は希望であり、目標でもあります。夢はすべての原動力です。人生の新たなステージで、高校時代に抱いた「夢」や「想い」を、信念と努力に裏打ちされた「志」に進化させ、花開かせてください。これからさらに、新たな歩みを進めるとき、夢が大きければ大きいほど越えなければならないことも数多くあります。壁にぶつかるのは、その人がより大きく成長するために与えられた試練です。思い通りにいかない時こそ、その状況を受け入れ、自分の可能性を信じ、希望を捨てず頑張りぬいてほしいと思います。目指す道がどんなに困難に見えようとも、どうか、失敗を恐れず、そして焦らず、困難を克服する勇気をもって、未来を見つめ、全力でその夢を追いかける人生であってほしいと心から願います。あきらめない限り、夢は決して逃げていきません。

     ~ 夢こそ力である ~ どうぞ心に留めておいてください…。 

2【思いやりと気づく感性】

 二つ目は、『思いやりと気づく感性』を持つということです。皆さんはこの鴻巣女子高校で、自己実現に向けて勉学や部活動、学校行事などによく励んできました。旺盛な向上心と好奇心を持ち合わせていた皆さんは、着実に生きる力をつけ、心身を鍛え、一生の財産となる仲間との友情も育んできたことでしょう。多くの場面で、自分自身を大切に思い、友だちも大切に思えるその感性が、皆さんを人間として大きく成長させたことと思います。

 人は、ひとりで生きて行くことはできません。どんなに科学技術やAIが進歩しても、最終的に人が人とコミュニケーションをとる上で大切なことは、お互いを尊重すること、人を思いやることです。しかし、人の優しさや温かさなどは見えないものです。だからこそ、見えないものを見ようとする、あるいは見過ごさない「気づく感性」を、これからも育てていってほしいと思います。気づくことで考えることが始まります。また、このことが、皆さん一人一人の心を豊かにし、そして周りの人の心を温かくしてくれることに繋がっていきます。 

 ~「思いやりと気づく感性」~というコミュニケーションの大切な柱を、どうぞ心に留めておいてください…。 

◆最後に・・・

 皆さんには、多くの人に支えられて今の自分があるのだという謙虚な気持ちを忘れず、周囲の人々に感謝しつつ、今度は自分が周囲の人々を支えていくのだという決意をもって思いやりのある「温かい人生」を歩んでいってほしいと思います。そして、人とのかかわりの中で、自分らしく堂々と、そしてしなやかに、自らの手で幸せを掴んでください。

  本校の卒業生として自信と誇りをもって、白梅の花のように、強くやさしく、新たな時代を切り拓くことのできる女性として活躍することを心から期待しています。

  ~『花咲く明日よ われらに薫れ』  校歌より ~    

                           令和3年3月11日 

                           埼玉県立鴻巣女子高等学校長 永田 祐子