2022年12月の記事一覧
おすすめ本のご紹介2
司書の独断と偏見によるおすすめ本をご紹介します。
※絵本『なまえのないねこ』(竹下文子 著)
この健気でいじらしい猫を見てください! 町の猫はみんな自分だけの素敵な名前を持っているのに、この野良猫には名前がありません。「名前が無いなら自分で好きな名前をつければいいんじゃない?」と言われ、自分らしい名前を探し始めます。「かんばん」「やじるし」「くるま」「のらねこ」「へんなねこ」「あっちいけ!」…一体自分の名前は何なのだろう?雨も降ってきて途方に暮れているところに、「おなかがすいているの?」と優しく声を掛けてくれた小さな女の子が・・・!一体どんな名前が見つかったのでしょうか。そして名前以上に、心の底で野良猫が本当に求めていたこととは?とても温かな気持ちになれる絵本で、多くの絵本賞を受賞しています。同じタイプの野良猫の絵本では『ぼくはいしころ』(坂本千明 著)も感動的でおすすめです。
『ねこと私とドイッチュランド』(ながらりょうこ 著)
『ホテル・メッツァペウラへようこそ』(福田星良 著)
ひたすら癒されながら外国の文化について学べるコミックです。一方は猫と一緒にのんびりドイツの食文化や観光を楽しむ内容で、優しい人しか登場しない癒し成分100%飯テロ系漫画です。もう一方はフィンランドのホテルで、新人ホテルマンとして働く若者の成長を描いた物語。どちらもお国柄、クリスマスの文化や過ごし方が詳しく描かれているのでこれからの季節にぴったり。寒い季節になりましたので、こちらのコミックで心をほっこり温めてください。
『方舟』(夕木春央 著)
地震でとある地下施設に閉じ込められてしまった9人。不運なことに地震がきっかけで地下浸水が始まり徐々に水がせり上がってきます。脱出するためには誰か一人が残って命を犠牲にした操作が必要なことが判明し、タイムリミットが迫る中、連続殺人事件が起こります。いわゆるトロッコ問題とクローズドサークルミステリを掛け合わせた本作品。最後のどんでん返しが見事で、全ての謎が解けた時は「オーマイガッ!」と、静かに本を置いて天を仰ぎ、読後は本の結末について小一時間ほど茫然と思いを巡らしました。今年読んで間違いなく一番面白かった小説です。